肺気胸の治療方法は重症度によって異なる
肺気胸に5回なったことで僕はドレーン(胸腔ドレナージ)を5回、内視鏡(胸腔鏡)手術を2回受けました。
ドレーンを刺すのはめっちゃ痛いですし何回やってもなれません・・・・そして内視鏡も全身麻酔と言えどやはり恐怖心もあるし、術後が個人的には結構苦痛でした・・・・出来れば二度と受けたくないです。
ちなみにドレーンと内視鏡って何が違うの?
と、その治療方法の違いについても気になる所だと思いますが、まず気胸の治療方法には気胸の重症度によって異なるという事を分かって頂きたいです。
気胸になったからと言って必ず肺に管を通す訳では無いんですよね。
安静にしていれば自然と治る場合も多いです。
ただそれは自分で判断するのではなくしっかり病院でレントゲンを撮って貰い、肺がどれくらいしぼんでいるのか確信してもらい先生の判断に任せましょう。
それでは気胸の重症度別に気になる気胸の治療方法を見ていきましょう。
肺気胸が軽度の場合の治療方法
まず気胸の症状が軽度の場合ですが、どうやって軽度、高度と判断するのかというと、肺のしぼみ度合いで判断されます。
軽度の診断基準としては肺尖(はいせん)と呼ばれる肺の頂上部が鎖骨より上にある状態となります。
左が正常な肺だとしたら、若干右側の肺尖(はいせん)にしぼんでいますよね。
しかし肺尖(はいせん)が鎖骨より上にある状態なので、この場合は軽度と診断されます。
<軽度の場合の治療方法>
軽度の場合は痛みが無いようなら自宅療養で安静にしておいて後日再度レントゲンって形になると思いますが、痛みや呼吸に問題がある場合は先生の判断で入院による安静もあるかと思います。やはり家にいたら安静にしとけと言われても何だかんだでバタバタ動きますからね。特に一人暮らしで誰も家に家族がいない場合などは。
又、最初軽度と診断されても次第に症状が重くなってきた、痛みや呼吸困難などになるケースもあるのでその場合は肺に管(ドレーン)をさして胸腔内の空気を抜いて貰わないといけません。
このように徐々に穴が広がっていくというパターンも想定できますね。
肺気胸で中度、高度と診断された時の治療方法
気胸の中度の症状の診断基準としては肺尖(はいせん)と呼ばれる肺の頂上部が鎖骨より下にある状態となります。
また高度は明らかに肺が虚脱(しぼんでいる)状態の事をいいます。
僕はレントゲンを見る限り毎回中度くらいの症状だったかなと思います。それでも結構胸や背中に痛みが走るので、やはり重症化する前にすぐに病院に行くことが望ましいです。
早く行って虚脱が軽い方が治りも早いと思うので。
<中度の場合の治療方法>
中度の場合も高度の場合もまずは肺にドレーン(胸腔ドレナージ)という管をさされます。この管が胸腔(きょうくう)にたまった空気を吸い出す事で肺が膨らみ穴が塞がって行きます。
僕は最初、肺を膨らませる為に空気を送り込むんじゃないのか?と不思議に思ったのですが逆です。
溜まった空気を吸い出してやらないと肺は膨らみません。
胸腔(きょうくう)に空気が貯まることで肺が圧迫されてどんどん縮んでいきます。
図にするとこんな感じです。
空気があるので肺が膨らまないですよね・・・・なので管で溜まった空気を吸ってます。
吸った空気は液体のところを通過するのでボコボコと音をたてます。管をさした後はこの機械と運命共同体となるので穴が塞がるまでの期間は一緒に行動を共にしなければなりません。
もちろトイレだろうがご飯を食べる時だろうが寝る時であってもです。
そして空気のボコボコという音が無くなり、無事に肺の穴が塞がったら管を抜いて、後日肺の虚脱が無ければ無事に退院となります。
ちなみに肝心の管をどうやって刺すのかという具体的な治療の方法ですが、脇腹辺から管を入れていくので脇に局所麻酔をして管を入れられます。なので僕の場合は治療後は痛みが結構でました。痛くて寝れないくらいになるので、痛み止めを貰って飲んでいたのですが、それでも最初の方は結構痛かったと思います。管をさして2日間位は痛みがあると思います。特に若ければ若い人ほど痛みに敏感と看護師の方がいっておられました。
という事でこれが胸腔ドレナージという手術?治療法になります。基本は気胸になって入院となればこの胸腔ドレナージの治療になるので覚悟しておいて下さい。そしてすぐに治療になるので心の準備を!明日やろうとかじゃなくてすぐに治療になります。気胸初体験の人からしてみたらあれよあれよという間に肺に管さされた・・・痛たたたたたという状態になる思います。
肺気胸が再発する場合はブラを切除する内視鏡(胸腔鏡)手術が必要です
僕は1回目ドレーン、2回目ドレーンのみで気胸を治療したのですが、3回目にはさすがに内視鏡(胸腔鏡)手術を進められました。
それは肺にブラという破れやすい個所があるので、ドレーンだけで治療してもきっと再発するでしょう!という事でした。
ちなみにブラってのはブレブとも言うらしいですが、簡単に言えば肺に出来た割れやすいイボですね。
詳しくは別記事を参照してください。
<内視鏡(胸腔鏡)手術の方法>
内視鏡の手術は脇の肋骨の部分に3つの穴をあけ、そこから肺に出来たブラを切除する手術です。全身麻酔で手術室での治療となります。
イメージはこんな感じです。
ちょっと生々しいですが、結構忠実に再現できたのではないかと思います。
お医者さんの説明では、ブラの切除と、肺を破れにくくする為に人工の薄いシート?のようなものを張り付けたと言っていました。まあなんか補強したって感じのを僕はイメージしていました。手術前日は胃の中を空にするために、夕食を取らずに、そしてグッスリ眠れるように睡眠薬を貰い手術に万全の態勢で挑みます。そして手術自体は手術室に行くまでがとても緊張して全身麻酔を背中に打つときがピークでしたが、それからは記憶がなく起きたら病院のベットって感じです。
すこし大掛かりな内視鏡(胸腔鏡)手術ですが、この手術を受けたら気胸の再発率は5%以下(もしくは3%以下)とお医者さんに言われました。それならばと思い受けたのですが、見事に4回目も気胸になり5回目で再度内視鏡の手術を受けてます。
3回目の内視鏡と5回目の内視鏡は受けた病院が違うのですが、もしや上手い下手ってのがあるのかなと思いました。
<総括>
気胸の治療方法
・軽度の場合は自宅療養または入院にて安静にしておく
・中度、高度の場合は胸腔ドレナージの治療
・気胸が再発する場合は内視鏡(胸腔鏡)手術によるブラの切除
気胸はとても再発率の高い病気なので、なんども入退院を繰り返す可能性があります。しかし年齢を重ねる度に再発率も低くなっていくので頑張って治療していきましょう。
僕にはそれしか言えないっす・・・・。
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